Suzanne Ross Solo Exhibition “A WING AND A PRAYER”
2024.10.12 (sat)
2024.10.20 (sun)
11:00~18:00
※16日(水)定休日/日曜のみ12時30分開店/最終日は17時まで
concept
あの地震が能登半島を襲った今年の元旦、漆芸家のスザーン・ロスさんは輪島の工房にいました。建物ごと揺さぶられる激しい揺れの中、柱にしがみついた自分の脚の間で床が真っ二つに割れていくのを見て、「地獄に落ちるのか」と思ったといいます。
地震の後に制作したロスさんの新作には、さまざまな感情が、そして祈りが、溢れています。作品の前に立ち、そのメッセージを受け取ってください。
Profile
Suzanne Ross スザーン・ロス
漆芸家
1984年、イギリスで美術とデザインを学んだ後、来日。
以来、石川県輪島にて制作活動を続けてきたが、2024年1月、能登半島地震で被災。現在は金沢に拠点を置いている。
「ロンドンの美術館で開催された江戸時代の美術展で初めて出会った漆は、私の情熱となりました。かつて見たことのない美しさ、そして空間で星のように輝く、金や螺鈿象嵌の豊かで柔らかい漆の深い質感は私の心をとらえて放しませんでした。何も知らない私は漆工技術を3ヶ月から半年でマスターできると考えて1984年に来日しました。しかし、この30年で私が学べたことは、漆の達人になるのには少なくとも30年以上かかるという紛れもない事実だけです。この魅力的な工芸品のあらゆる層の下には、さらに多くの層が潜んでいたのです。私は漆の技法を完全にマスターすることを諦め、これは生涯をかける美と神と自分の魂の探求だということに気づきました。長い忍耐を乗り越えることで、全ては明らかになることでしょう。」