Suzanne Ross Solo Exhibition THE UNCONSCIOUS MIND ―無意識
作家在廊日:4月29日、30日、5月5日、6日、7日
※5月2日(火)休廊/5月3日(水)営業/日曜のみ12時30分開店/最終日は17時まで
concept
漆は何千年もの間、装飾的で実用的な美しいものを作るために使われてきましたが、無意識の思考や感情を表現することもできるとしたらどうでしょうか。9000年前の縄文人が漆を大切にしたのは、その優れた実用性のためだけでなく、漆が彼らの精神的欲求を満たすものであったからです。
私はコロナ禍の中で、内なる葛藤を表したり、受け入れがたく感じた社会情勢を反映させるには、漆が最適だと気付きました。作品にはタイトルをつけていません。作品と出会った人に、その人自身の、その人だけの感情を感じてもらいたいからです。作品が、見る者の無意識を映し出し、新たな思考をめぐらせるものとなれば幸いです。
―Suzanne Ross
Profile
1984年、イギリスで美術とデザインを学んだ後、来日。以来、石川県の輪島にて、漆の美を探求し続けている。
「ロンドンの美術館で開催された江戸時代の美術展で初めて出会った漆は、私の情熱となりました。かつて見たことのない美しさ、そして空間で星のように輝く、金や螺鈿象嵌の豊かで柔らかい漆の深い質感は私の心をとらえて放しませんでした。何も知らない私は漆工技術を3ヶ月から半年でマスターできると考えて1984年に来日しました。しかし、この30年で私が学べたことは、漆の達人になるのには少なくとも30年以上かかるという紛れもない事実だけです。この魅力的な工芸品のあらゆる層の下には、さらに多くの層が潜んでいたのです。私は漆の技法を完全にマスターすることを諦め、これは生涯をかける美と神と自分の魂の探求だということに気づきました。長い忍耐を乗り越えることで、全ては明らかになることでしょう。」